
「お金をためて、来年買います」分割払いで買えなかったお客さんの話【審査の理由は店員にも分からない・自分で確かめる方法】
2026-10-19 公開 · 約11分で読めます
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現役の携帯ショップ店員(勤務10年以上)が書いています。日々の接客で実際に見聞きした内容をもとに、店頭の実情を書いています。プロフィール
この記事でわかること
- スマホの分割払いに「審査」がある理由
- 審査に通らなかった理由を、店員が答えられないわけ
- 自分の信用情報を、自分で確かめる方法
- 分割で買えなかったときに、考えられること
「お金をためてから買います」
ある日、画面が割れたスマホを持って、10代のお客さんが来店された。
新しい機種に買い替えるつもりで来られたが、10万円を超える機種は、買うことができなかった。 その日は買わずに、お金をためてから買う、ということになった。
別の日には、分割払いの審査が通らなかったお客さんもいた。「お金をためて、来年買います」とおっしゃっていた。 年金で暮らしている方にとっては、数万円の機種代金でも、軽い金額ではない。
そして店員には、審査の結果を変えることはできない。なぜ通らなかったのか、理由を知ることもできない。
※別々の日にあった出来事を、まとめて書いています。
結論:審査の結果は、お店では変えられない。でも、自分で確かめられることがある
先に結論を書く。
| 知っておきたいこと | 内容 |
|---|---|
| 分割払いは「クレジット契約」 | 買うたびに、支払っていけるかどうかの審査がある |
| 審査で見られること | 年収、いまのクレジットの支払い状況、生活にかかるお金 |
| 理由は、お店では分からない | 審査をするのはクレジット会社。店員にも理由は知らされない |
| 自分で確かめられること | 自分の信用情報は、本人が申し込めば見ることができる |
※政府広報オンライン・経済産業省・CIC(指定信用情報機関)の説明をもとに整理(2026年10月時点)。
スマホの分割払いは「クレジット契約」
スマホを分割で買うのは、後払いの買い物だ。法律では「クレジット契約」として扱われ、「割賦販売法(かっぷはんばいほう)」という法律のルールがかかる。
政府広報オンラインは、こう説明している。
- 商品を買うたびに後払いを申し込む契約を「個別クレジット」という
- 申し込みのたびに、支払う力があるかどうかの審査がある
- 審査に通ると、契約が成立する
審査があるのは、買う人を守るためでもある。支払いが多くなりすぎて、ふだんの生活に困ることがないように。そのために、クレジット会社には「支払可能見込額」の調査が義務づけられている。
調べられるのは、主に次の3つだ。
| 調べられること | どうやって |
|---|---|
| 年収 | 本人の申告が基本 |
| いまのクレジットの支払い状況 | 指定信用情報機関に登録されている情報を使う |
| 生活にかかるお金 | 家族の人数や持ち家かどうかなどから、決められた金額を使う |
クレジット会社は、この調査で出した金額の範囲でしか、契約を結べない。
CIC(指定信用情報機関)も、スマートフォンを分割払いで買うとき、カード会社や携帯電話会社は信用情報を確認している、と説明している。
「10万円」は、審査のしくみの中のひとつの線
冒頭の話に、「10万円を超える機種」という言葉が出てきた。この金額は、法律の中にも出てくる。
割賦販売法の施行規則には、こういう決まりがある。
- 生活に必要とされる、耐久性のある商品で、支払総額が10万円以下のものを個別クレジットで買う場合は、年収などをもとにした「支払可能見込額」の調査を、しなくてよい
- ただし、信用情報から、支払いが行われないと認められるときなどは、この例外は使えない
10万円を超えると、この例外は使えなくなり、年収などをもとにした調査が必要になる。
冒頭の話と、この決まりが関係しているかどうかは、分からない。スマホの分割払いがどの種類の契約にあたるかも、携帯会社や買い方によって違う。ただ、10万円という金額が、審査のしくみの中でひとつの線になっていることは、知っておいて損はない。
※割賦販売法施行規則 第73条をもとに、分かりやすい言葉に直している。法律の言葉では、もう少し細かい条件がある。正確な内容は、e-Gov法令検索で確認してほしい。
なぜ、店員は理由を答えられないのか
「どうして通らなかったんですか?」
そう聞かれることがある。けれど、冒頭に書いたとおり、店員はその理由を知ることができない。審査の結果を変えることもできない。
審査をするのは、お店ではなくクレジット会社だ。信用情報をあずかっているCIC(指定信用情報機関)も、公式の「よくあるご質問」でこう答えている。
- クレジット会社は、それぞれの審査の基準で、総合的に判断している
- CICは審査をしていないので、通らなかった理由は答えられない
- 本人が手続きをすれば、自分の信用情報を確かめられる制度がある
つまり、「理由」を教えてくれる窓口は、どこにもない。分かるのは、審査の参考にされた「自分の情報」のほうだ。
自分の信用情報は、自分で確かめられる
CICには、本人が申し込むと、自分の信用情報を見られる「情報開示」という制度がある。
見られるのは、たとえば次のような内容だ。
- 契約しているクレジットやローンの内容
- 支払いの状況
- 残っている金額
- 申し込みの記録
| 方法 | 用意するもの | 手数料 |
|---|---|---|
| インターネット | スマホ/クレジット会社に届けてある電話番号/マイナンバーカード | 500円 |
| 郵送 | くわしくはCICの公式ページで確認 | 公式ページで確認 |
※インターネットでの開示は、毎日8:00〜21:45。手数料や必要なものは変わることがあるので、申し込む前にCICの公式ページで確認してほしい。
気をつけたいのは、開示した書類に「通らなかった理由」が書いてあるわけではないことだ。書いてあるのは、登録されている事実だけ。それでも、「身に覚えのない記録がないか」「支払いの遅れが記録されていないか」は、自分の目で確かめられる。
支払いが遅れると、記録に残る
政府広報オンラインは、こうも説明している。
📌 クレジットの支払いを延滞すると、その事実が指定信用情報機関に登録され、将来のクレジット契約に影響することがある。
経済産業省も、クレジット会社は、契約を結んだあとの支払いの状況などを、指定信用情報機関に登録しなければならない、と説明している。
分割で買ったあとは、毎月の支払いを遅らせないこと。これが、次に何かを分割で買うときの自分を守ることになる。
分割で買えなかったとき、考えられること
審査に通らなかったとき、道がなくなるわけではない。
- お金をためてから、一括で買う(冒頭のお客さんたちが選んだ方法だ)
- 予算に合う機種を、選び直す
- いまのスマホを、修理して使う(画面が割れた場合は、メーカーや携帯会社の修理窓口へ)
どれがよいかは、人によって違う。急いで決めなくていい。
画面が割れたスマホをしばらく使うなら、動いているうちに、バックアップだけは取っておいてほしい。やり方はスマホのバックアップを「ちゃんと」取る方法にまとめている。
店員として思うこと
「お金をためて、来年買います」。
いま振り返っても、いい決め方だと思う。買えるようになってから買う。あたりまえのようで、後払いが簡単にできる今は、いちばん難しいことかもしれない。
審査に通らなかったことは、その人の価値とは関係がない。理由は、本人にも店員にも分からない。分からないのだから、自分を責める必要もない。
店員にできることは少ない。結果は変えられないし、理由も分からない。だからせめて、「ご自分の情報は、ご自分で確かめられます」ということだけは、ここに書いておきたい。
よくある質問
審査に通らなかった理由を、お店で教えてもらえますか?
教えてもらえない。店員にも、理由は知らされないからだ。信用情報をあずかるCICも、理由は答えられないと案内している。
自分の信用情報は、どこで確かめられますか?
CICの「情報開示」で確かめられる。インターネットなら、スマホとマイナンバーカードがあれば申し込める。
開示すれば、通らなかった理由が分かりますか?
理由そのものは書かれていない。分かるのは、登録されている契約の内容や、支払いの状況だ。
10万円以下なら、かならず分割で買えますか?
そうとは限らない。10万円以下でも、信用情報は確認される。支払いが行われないと認められるときなどは、調査の例外は使えない。
分割で買えなかったら、もうスマホは買えませんか?
一括で買う方法や、予算に合う機種を選び直す方法がある。
まとめ
- スマホの分割払いは「クレジット契約」。買うたびに審査がある
- 審査では、年収・いまの支払い状況・生活にかかるお金が見られる
- 支払総額が10万円以下の生活に必要な商品には、調査の例外がある(個別クレジットの場合)
- 通らなかった理由は、店員にも分からない。CICも答えられない
- 自分の信用情報は、CICの情報開示で自分で確かめられる
- 支払いが遅れると記録に残り、次の契約に影響することがある
- 買えなかったときは、ためてから買う・機種を選び直す・修理して使う、という道がある
参考にした公式情報(2026年10月13日に確認)
- 政府広報オンライン:安心・安全なクレジット取引のためのルール「割賦販売法」
- 経済産業省:割賦販売法(後払分野)の概要・FAQ
- CIC:携帯電話の分割払い審査で否決されたときのよくあるご質問
- CIC:情報開示とは
- CIC:初めての方へ
- e-Gov法令検索:割賦販売法施行規則(第73条)
買い替えでお店に行く前の準備は機種変更で損しないために、来店前にやっておいてほしいことをどうぞ。
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この記事を書いた人
会社脱出ラボ管理人(携帯ショップ店員・30代)
携帯ショップに10年以上勤務。リベ大YouTubeをきっかけにインデックス投資を開始し、資産450万円→2,395万円を達成。 Claude AIでIT知識ゼロからブログを構築。「会社に依存しない生活」を目指して実験中。